日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年9月3日人から信頼される話し方に必要なこととは?



★「リーダーシップ」が仕事へのスタンスに影響を与える


あなたが会社のマネジャー職だとして、部下のAさんにある仕事を頼んだ際に、「いや、私は明日が期限の仕事が3つあるので、その仕事をするのは難しいです」と言われたらどうでしょうか。きっと「自分の仕事しか考えていない、自分勝手な人だな」と思い、今後は余り仕事を頼まないようになるでしょう。
一方、同じことを部下のBさんに頼んだところ、「他のメンバーは手一杯なので、私が引き受けた方がいいですね。でも、私は明日期限の仕事が3つありますので、今のままでは難しいです。他の仕事の期限を調整してもらうことはできますか?」と言ってくれたらどうでしょうか。Bさんが周りのことに配慮して仕事をしていることが感じられ、あなたも進んで他の仕事を調整しようという気になるでしょう。そして、これからもBさんに仕事を依頼しよう、相談しよう、という気になるでしょう。


AさんとBさんは明らかに仕事に対するスタンスが違います。では、何が違うのでしょうか。私はBさんにはAさんにはない「リーダーシップ」があるのだと思っています。




★リーダーシップはメンバー全員が発揮すべきもの


部下であるAさん、Bさんにリーダーシップがあるのか、と思われた方もいるでしょう。そう思われるのは自然なことだと思いますが、ここでいうリーダーシップは、私たちが普通に使っている意味とは少し異なります。通常、リーダーシップというと、リーダーがチームを統率する際に発揮する能力のことを指します。しかし、私が先に述べたリーダーシップは、そのチームに所属する全員が発揮すべき類のものです。そのチームが何をなすべきかを全メンバーが共有し、それぞれの役割を分担して遂行します。そして、それぞれのメンバーがチーム全体のことを考えて仕事のやり方を提案したり議論したりします。そして、解決すべき課題が発生した場合、「それは私の仕事ではない」とは考えず、「その課題を解決するために、今、私の立場で何をするのがチームにとってベストか」を考えます。チーム全員がこの意味でのリーダーシップを発揮すれば、非常に高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。



★リーダーシップは話し方においても非常に重要


ところで、この「リーダーシップ」は、話をする上で非常に重要です。リーダーシップが感じられる話し方をすれば、周りの人はあなたのことを「いつもこのチームのことを考えて行動している」と大きな信頼を寄せてくれるはずです。相手に伝わる話し方を身につけたいという人は、滑舌を良くする、論理的な話をする、などテクニック面を意識し勝ちです。しかし、話にはあなたの考えや気持ちがストレートに現れます。その考えや気持ちが自分勝手なものだと、相手にもそれがすぐにわかってしまいます。そうなると、あなたが話をしても「どうせ自分勝手なことを言うんだよね、この人は」と、誰も聞いてくれなくなるでしょう。そういう意味で、上に述べたリーダーシップは伝わる話をする上で非常に大切なのです。


ところで、リーダーシップを持って話す、と言っても、すべてのことを「私がやります」と自分が背負い込むことではありません。どうすればその問題が解決するか、ということを考え、自身が実行すること、他の人にやってもらいたいことなどを具体的に話すことが重要なのです。従って、全てを自身で背負い込む必要はありませんが、逆に「こうすればいいんじゃない?」というだけでは評論家的に受け取られてしまいます。「こうしましょう。どうですか?」というように、一緒にやりましょう、という表現で話すと、周りの人の受け取り方も格段に良いものになるでしょう。



★ベーシックコースでは心の持ち方も学べます!


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